檸檬のころ

檸檬のころ (幻冬舎文庫)

檸檬のころ (幻冬舎文庫)

東北地方の高校を舞台にした連作短編集。うーん、私が高校生だったらきっと読んでて胸キュンだったんだろうなあとは思うものの、私は今現在高校生ではなく、正直あんまり心に来るものはなかったです。ああやっぱ本ってタイミングなんだよねって心から思いました。
でも最後の「雪の降る町、春に散る花」は好き。あまり好きになれなかった登場人物の中で唯一私の好みなのがこの短編の主人公の加代子。「檸檬のころ」に出てくる人たちは皆、痛いんだけどそれぞれに痛さのベクトルは違います。私は加代子の痛さのベクトルが一番自分にフィットしていたんだなあと感じました。