退出ゲーム

退出ゲーム

退出ゲーム

4つの短編による連作短編集。最初の2つの短編はさほど好みではなかったけど、表題作の「退出ゲーム」はすごく好き。演劇部部長の名越が出てきたことによってへんちくりんさみょうちくりんさが際立って楽しいお話でした。

藤間さんは真顔ですこし考えていた。やがて何かを断ち切ったように顔を上げると、か細い声でいった。
「……安定は役者の敵です」
頭のおかしな同級生がまたわたしの周りにふえた。

この本の中で一番私が好きな文章がこれ。主人公チカはどうやら変人を呼び寄せる磁場になってるらしくへんちくりんな人たちが出てくるのが読んでて楽しいです。私は名越がすきだからできれば演劇部でスピンオフを書いていただきたいんだけど、予定に入れていただけないだろうか。