- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/24
- メディア: 単行本
- クリック: 18回
- この商品を含むブログ (69件) を見る
表題作の「ロードムービー」が一番好き。子供の残酷さとか悪意をうまく描いてます。主人公のトシがいじめのターゲットになってエスカレートしていく様とかやっぱうまいなあと思いました。無理がないもの。最後はちょっとうまくできすぎ?と思わないでもなかったけど、まあこういう話にはああいう救いがあったほうのがいいと思うので、それはそれでありな気がします。あと、最後の二行でびっくり。油断してたとこでそう来るとはなあ。『冷たい』を読んでる人はここでおおっと思うはず。
「道の先」はこれまた辻村作品ぽいというか。
「結局、自分が『ひどいヤツ』になりたくないからだけだよね。来てくれるからって、私とつきあう気があるわけじゃないけど、でも一応来たわけだから、確かに責任は果たしてて『優しい』もん。でもそれって、実はすごく無責任なんだって思わない?」
「ただ、相手の言葉だけ受け入れて絶対に拒絶しないの。それって本当はすごく自分に都合がいいし、相手を傷つけないって楽だもんね。でも、ずるい。その人にとって何がいいことなのかってことをまるで考えてないし、あとの責任を取ろうとしてないんだもん」
ここすごく辻村作品って感じがします。そうだよねそうなんだよね。同世代作家故、その感覚はわかります。
千晶がうざく描かれてるのはまあ、そういう仕様なんですよね。『冷たい』のスピンオフということを考えると、何故こういうキャラなのか納得しました。
「雪の降る道」は私がみーちゃんがあまり好きじゃないせいか、さほどでした。が、スガ兄のカッコよさが半端なくてちょっと胸キュンになりました。