赤い指

赤い指 (講談社文庫)

赤い指 (講談社文庫)

とりま冒頭見て思ったことが「正月早々滅入る話だな」ってことです。加賀刑事(阿部寛)が事件の捜査に入るまでのあの陰鬱とした感じがたまらなかったです。前原(杉本哲太)の流される夫ぷりや八重子(西田尚美)の色んな意味でのダメな母親っぷりのリアルさが痛すぎました。あーこういう家族ってどこかにいるわーっていうリアルさ。お正月には必要のないリアルさ。ああこれが他の改編期のドラマだったらこんな気持ちにならなかっただろうになあと思いました。もっと普通に面白く見れたはず。ドラマ全体としては新参者よりかは面白かったと思います。コンパクトに収まっていたし。
ただこれはドラマとしての問題というよりも原作自体の問題なんだけど、前原と政恵(佐々木すみ江)の親子関係に焦点を絞りすぎた結果、その他の描写がおろそかになってしまっていると感じました。この親子だけの問題ではなく、妻との関係であったり嫁と姑の関係であったり直巳(泉澤祐希)との関係であったり描くべきことは前原家の中でたくさんあったと思います。何故、直巳はあんなことをしてしまったのかがあまりにお粗末しぎてわからないのはもったいないです。そここそがドラマなのに。前原に絞った描き方をするにしてももっと直巳との関係を描かないと伝わらないと思うのだけど。どうも加賀親子の話を描きたいがためにこういった話を書いたのかなーという気がしてたまりません。ドラマはもう少しそこら辺を膨らまして描いてくれるのかなーと思ってただけにちょっと残念でした。