巷説百物語

巷説百物語 (角川文庫)

巷説百物語 (角川文庫)

タイトルと各短編名だけ見てがっちがちの妖怪小説なのかしらと思ったらば、妖怪はあくまでモチーフの人情物の短編集でした。京極堂シリーズよりも蘊蓄が少ない分、ぐっと読みやすかったです。京極堂シリーズの長い蘊蓄も私は好きだけど苦手な人も大勢いるだろうし、やはり読む人を選んでしまうだろうっていうのは間違いないのでこちらのほうのがハードル低いかなーと感じました。短編集だからサクサク読めるしね。
時代物だけあって人情物というのがうまい事はまってるなあと思います。現代ものだと人情物って実はあまり得意なジャンルじゃないんだけど、不思議と時代物ならすんなりいけてしまうんですよねえ。キャラ立ちもいいし短編な分、物語が重くなり過ぎないのも読みやすくていい感じ。とりまシリーズの続きを追いかけたいです。