光待つ場所へ

光待つ場所へ

光待つ場所へ

辻村作品に出てきた人たちのその後とその前を描いたスピンオフ中編集。スピンオフの醍醐味って久しぶりにあの人たちに会える楽しさだと思うんです。ああ、彼らはちゃんと元気にやってるんだなあって。よかったよかった嬉しいな。そういうのが楽しいの。
今回収録された話のうち、最初の2編は「イタイ」子の「イタイ」はなし。辻村作品の特長はイタイを描く事だと私は思います。いわゆる中二病的な痛さ。自分はみなと違う特別な人間だと錯覚したり逆に自分みたいな人間は価値がないと凹んでみたり。若気の至り満載。でもね、私はそういうのが嫌いじゃないです。あーわかるなあって。そうやって苦しんだりすることを無駄じゃないよって私は言いたい。いつかちゃんと実を結ぶ日が来るから。まあ、なんだかんだで私も中二病的痛さがまだまだ抜けない大人になれない大人なんですが。
今回、図書館で借りて読んだんだけども文庫落ちしたら速攻買う事をここに宣言します。単行本って装丁がステキなものが多いし好きは好きだけどもスペース取るので置いとくのならば文庫本派。辻村作品は作品間リンクが多いので1作読むとすぐに再読の旅に出たくなる事がよくあります。今回もそうだったし。読み終わったそばから本棚いって文庫本をバラバラめくって軽くおさらいタイムをしたものです。なのでいつ再読の旅に出たくなってもいいよう、準備だけはしかとしときたいんだもの。こうやって愛される作品ってステキだよね。