モダンタイムス

モダンタイムス (Morning NOVELS)

『魔王』の50年後の世界を描いた長編小説。拷問シーンもあるし暴力描写がきつめなのと政治的思想に触れてる面もあるので苦手な人はいるだろうけど、私は好みでした。かなりボリュームがあるから読むの時間かかりそう…って思ってたのに気がついたら一気読みだったもの。ページをめくる手が止まらなかった。次から次へと畳みかける展開がたまらなく好みでした。色んなことが次々ひっくり返っていく感じが面白かったです。表だと思ってた事が実は裏側で、昨日の敵は今日の友だったりその逆だったり。
ネット社会が更に発達した社会を舞台にしてるのでネット社会の怖さも感じる本でした。私たちは何かあるとすぐに検索をする。だけどそこを逆手にとられることだってあると思うとやっぱり怖いなあと思うのです。ネット社会が発達しているという事はそれだけネットが密に張られてるってことだもの。
あとがきで『ゴールデンスランバー』と二卵性双生児の関係と書いてあったので、ぜひともこちらも読んでみたいところです。
それにしてもこの本、講談社側であるお遊びが用意されててちょっとニンマリしちゃいました。こういうの大好きなんですよ。愛されてるなあ。