片想い

片想い (文春文庫)

片想い (文春文庫)

ジェンダーの話を絡めた殺人事件。こういうのも書くんだなあと。読みながらやっぱり男性作家だよなあと思う個所もいくつかあったものの、この本が書かれた当時のことを思えば意欲作だと思います。男だとか女だとかっていうのは言うほど簡単には割り切れない。肉体と精神、それらが複雑に絡み合っているのだから。男らしいであるとか女らしいって結局どういう事なんだろう。ステレオタイプにはめられるのだけはごめんです。
ちなみにこの本、「夜空ノムコウ」にインスパイアされて描かれたそう。なるほどねえ。そう言われると空気感はあるなあと思いました。