オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

なんともファンタジックなお話でした。正直途中までは読むのがしんどかったです。中々お話の中に入っていけなかったので。だけど終盤に向けての伏線の回収の仕方の見事さはさすが伊坂幸太郎。デビュー時からそこら辺のお仕事は素晴らしかったのだなあと思いました。
この島に欠けてるものがわかったとき、それが伊坂作品で大事にされてるものの一つだったのでなるほどやはりデビュー作ってやっぱりその作家のルーツでありテーマだというのは本当なんだなあと改めて感じました。そりゃ、描き続けるうちに洗練されてくし色んな変化だって起こるに決まってる。いつまでもデビュー当時と同じわけなんてない。だけども、根っこはちゃんと張ってあるのがデビュー作なんだよなあ。