- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/10/05
- メディア: 単行本
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朝井作品を読むのはこれで4作目で、連作短編集ではなく長編として書かれたものを読むのは初めてです。なんとなくなんだけど、朝井リョウは長編よりも短編のが輝く作家なのかなーと感じました。短編のが私は好きだなあ。もちろん、この小説がまだデビュー後2作目だから不慣れな故にそう感じさせるのかもしれませんが。
あとは、チーム男子を描いた小説故に女子成分が少ないのがちょっと寂しかったなあと。朝井リョウは男性作家には珍しく女性描写がうまい作家です。若い女の子が憑依してるかのごとく違和感なく描くのが素晴らしいのに、女子描写がないのが私がこの小説を物足りなく思う一因なのかもしれません。他の作品がよいからこそ、ハードル上げて読んでしまったという贅沢病のせいですが。でも、贅沢病を発病させちゃうくらい、他の作品がよかったんですよ。
とはいえ、クライマックスの部分はぐぐっと胸に迫るものがありました。スポーツ物としてありがちなシーンかもしれないものの、心情描写がとってもいいなあと感じました。絵的に映えるからドラマ化とか映画化とかありだろうなあと思ってたら、既にマンガ化されてたんですね。まあそっちも十分ありだしね。