負けて、勝つ

吉田茂を主人公に坂元裕二が脚本書くって聞いちゃあ見ないわけにはいきません。実在の人物、史実をどう解釈して脚本を作り上げるのかワクワクしながらテレビの前で待機しておりました。
近衛夫人が近衛文麿の背中を拭きながら寄席の話をするくだりがとってもよかったです。この情感あふれる感じがたまんなくてねえ。脚本・演者・演出ががっつりかみ合ったシーンだと思いました。
今回、天皇陛下の戦争責任についてGHQサイドと日本側で意見が対立しているという話がでてきてるんだけど、なんともまあ難しいところに踏み込んできたものだなあと思います。ここに踏み込むのはなかなか一筋縄ではいかないんだもの。えらいとこついてきたものだわ。天皇陛下人間宣言のくだり、戦前戦中を生き抜いてきた人たちと戦後を生きている私たちとの間ではその出来事の重さが微妙に違う気がします。たぶん私が思っている以上に重たい出来事だったのだという事が伝わってきました。こういうのは教科書読んでるだけじゃいまいち想像つかないものですね。
それにしても私、高校生の時には日本史選択だったくせに恥ずかしながらここらのことがよくわかっておりません。なんとなーくの雰囲気ものでしかわかってないという。日本人として知っておくべきことのうちのひとつなのに。思うに近世までは学校でもよく教えるのに近代史現代史ってあんまり時間かけて教えないのもよくないのかも。特に現代史って駆け足ですぎてっちゃったもの。まあこれは私の頃の話だけど今は違うのかしら。近世以前も大事に決まってるけど、近現代史をきちんと見つめるのは現状の日本を考える上ですごく大切な事だと思うのよ。