ボーイズ・オン・ザ・ラン

1話の始まりから考えるとずいぶん遠くまできたものだなあと思いました。まさか最終回で獄中からこんにちはするとは思ってもみなかったもの。最初は田西の恋愛から入っていった物語の終着点が家族だというのが面白かったです。なるほどなあと。出所した田西を迎えにきた花としゅうまいがそれぞれ婚姻届と養子縁組の用紙を持ってきて家族になろうよという終わり方は私は好きです。ファンタジーなんだっていうのはわかってるけどぐっときたなあ。あと、今日をどう生きるのかに必死で明日の夢なんて考えられなかったしゅうまいが自分の夢を見つけられたのがよかったなあと思います。夢を見る余裕のない子どもの話はきつかったもの。田西が主人公の物語をしゅうまいを主人公に書き変えたらまた違った物語になったんでしょうね。でもほんと、子供を搾取する大人ってひどいよな。
ボーイズ・オン・ザ・ランはエグイ話なんだけどだからこそ最後のファンタジーさが胸にくるものがあったのかなあと思いました。ラストの花としゅうまいとのシーンもだけど、面会のシーンなんかもそれまでのえぐみから考えると何ともぬるいファンタジックな仕上がりだったもの。でもね、それがぬるくてダメなシーンかといえばそんなこと全然なくて。ダメな田西だけど、ダメだからこその魅力が出てたのかなあと感じました。
えぐみのある話をテレビドラマ、しかもジャニーズ主演でやっちゃえたのはよかったと思います。たぶんだけど原作はもっときつい話だったんでしょうね。これでもマイルドにしたのではないのかなと推測します。だけどドラマは逃げてたわけじゃないと思います。きれいごとにすることなく、田西をかっこ悪く描いたのはよかった。丸ちゃんもよく頑張ってたよ。
エイトの主題歌もドラマによく合ってた。とりあえずタイアップねじこんどけって感じじゃなかったもの。ただ、タイトルの「あおっぱな」って何度聞いてもすごいと思うわ、このインパクト。でも、最近の子供はあおっぱなの意味すら知らないんでしょうね。だってみんな早めに小児科や耳鼻科にかかるからあおっぱなの子供見ないもの。鼻水垂れてる子供は見るがきったないあおっぱなたれてる子供は久しく目にしてません。絶滅危惧種だと思う。