前巷説百物語

前巷説百物語 (角川文庫)

前巷説百物語 (角川文庫)

巷説シリーズ第4弾。又市が小股潜りの又市となるまでのお話です。若かりし頃の又市は青臭く今まで読んできた又市とは違った感じを受けます。だけど、不思議とこんなの又市じゃないやいって感じじゃなくて又市もこういう時期があったのねえと思えるあたり、うまいなあと思います。一人の人間がグラデーションがあることをうまく描いてあってなるほどこういうのが人間が描けているってことなのねと。
巷説シリーズは京極堂シリーズとは構造が真逆になっていてそこが面白いところ。でもってそういうとこに作家京極夏彦のすごさを感じます。