こめぐら

こめぐら (倉知淳作品集)

こめぐら (倉知淳作品集)

ノンシリーズのバカミス短編集。こういうの好きだわー、軽くサクッと読めてあー楽しかったって思えるのっていいものだ。「偏在」だけはちょっとこの中では異色作になっててざらっとしたいやーなお話になっています。SF的なとこもあって短編集の中でいいアクセントになっているのではと思います。
私が一番好きなのは「Aカップの男たち」。ブラジャー愛好家の男性達のオフ会で自慢の鉄のブラジャーをお披露目したはいいものの、外すための鍵が紛失してしまうという話です。これね、上半身裸(ただしブラジャーは着用している)男たちがあーでもないこーでもないって推理をしてるんですよ。何をいっててもだって半裸じゃんかと思ったらそこはかとないおかしみが出てきて。オチが明るくいい話で終わるだけにそこはかとないアホ臭にニマニマが止まりません。
アホといえば『さむらい探偵血風録』も中々のバカっプリです。B級時代劇を見て意外な掘り出し物探しをしている主人公、そんな彼が手に取った「さむらい探偵血風録」のオチとは一体何なのかっていう話です。これがもうねえ、バカそのもの。なんじゃこりゃーって壁投げする人もいるでしょう。メタミステリ万歳、おバカ万歳で私は笑っちゃったけど。好きだ。