カササギたちの四季

カササギたちの四季

カササギたちの四季

リサイクルショップカササギの周りで起こった4つの事件を描いた連作ミステリ。あー面白かった。私はこういう道尾作品が読みたかったんです。陰鬱な感じのも嫌いってわけじゃないけれど、こういう抜け感のある作品を書いても上手にまとめれる作家さんだって知ってるからこそ、読んでみたかったのです。
この小説における表の探偵役は華沙々木です。彼が思いついた推理を本作の主人公であり裏の探偵役である日暮が推理して華沙々木がうまくいくようにサポートするという感じになっています。何故そんな面倒な事をするのかといえば、華沙々木が推理を間違えるのを奈美に見せたくないからです。彼女が華沙々木のおかげで救われているのでそれを裏切らせたくないんですね。ここら辺の設定も面白いなあって思います。
私にとってこのお話のイメージは表紙と同じくきれいな青です。抜けるような青空みたいな爽快な色。ぐぐぐっと引きつける力のあるお話です。読後感もいいしエンタメとしても面白いしそのうち映画やドラマになったりしてね。なくはないと思う。