ペンギン、日本人と出会う

ペンギン、日本人と出会う

ペンギン、日本人と出会う

ペンギンと日本人との関係について書かれた本。以前、著者が子供向けに書いた『サボテン島のペンギン会議』が面白く*1、大人向けのノンフィクションも読んでみたいと思って手に取りました。そして予想通り、中々に興味深い本となりまりました。
日本人は世界でも特にペンギンが好きな国だそうです。動物園の好きな動物ランキングでベスト10にペンギンが入ってくるのは日本特有のことだとか。何故、日本人がそんなにペンギンに親しみを感じるのか、ペンギンをかわいいと感じるのか。それをペンギンが日本にやってきた経緯と飼育の歴史とともに紹介しています。ペンギンは捕鯨のお土産として日本にやってきました。動物園での試行錯誤しながら飼育をする様子は大変興味深かったです。当初はペンギン=かわいいのイメージは確立されていなかったのがどうイメージチェンジされていったのかとかもね。
西のペンギン王国として長崎水族館が紹介されているのですが、読んでるうちに行きたくなってきちゃいました。長崎水族館は戦災復興の一環として建設されたものの一つです。当初はペンギンを飼う予定はなかったものの、捕鯨船から寄贈を受けてペンギンを飼い始めます。その後、ペンギンのスペシャリストとしての地位を確立し盤石かと思われたのに閉鎖の憂き目を受けてしまいます。が、市民からの熱い要望を受け、規模を縮小し長崎の魚とペンギンをメインに絞った水族館としてリニューアル。小さな水族館だそうだけど、ペンギン好きとしては一度はいってみたいものです。
たくさんの取材とペンギン愛に裏打ちされた面白いノンフィクション本でした。ペンギンをきっかけに環境問題や動物と人間の共存についてなどを考えるのにもちょうどよい本です。