結婚家族

結婚家族

結婚家族

タイトル通り結婚と家族にまつわる短編を7編収録した短編集。デビュー作である『もじゃもじゃ』が感触よかったので2作目である本作を手に取ったんだけど、いやーたった1作積みあげただけなのにデビュー時よりかぐぐっと洗練されてて驚きました。文章表現であるとか、物語の持ってき方であるとかそういったテクニック面が上達してたと思います。素人がいうのもなんですが。
今作の短編の主人公たちは年も置かれた環境も様々で、下は大学生の青年、上は秋田の古民家に住む老婆です。それぞれの視点から見た結婚とは家族とはというのが面白かったです。色々あるけど、結婚って家族って面白いな、そう思える本でした。ただ、大学生の青年が主人公の「いつくしみふかき」はこの中ではちょっと異色の話で読み終わった後の読後感も違っていました。どうか彼らの行く末が幸せでありますようにと願わずにはいられない、そんなお話でした。
次はどういうお話を書いてくれるのか楽しみ。2作連続で結婚がらみのお話だったので今度は違ったテーマのお話が読めたらいいなあと思います。