要介護探偵の事件簿

要介護探偵の事件簿

要介護探偵の事件簿

車椅子に乗った地元の名士であるおじいちゃん探偵が活躍する連作短編ミステリ。おじいちゃん探偵というとかわいげがある書き方ですが、正確に書けば暴走老人といったほうのがより近いかと思います。車椅子で決して自由がきく体ではないのに口はそれ以前と変わらず達者で、障害者=不自由なかわいそうな人なんてパブリックイメージをぶっ飛ばすキャラ設定になっています。玄太郎の行動には諸手を挙げて賛成というわけではないけれど、エンタメ作品という事を考えればそれはそれでありかなーって気がします。リアルにこういう人がご近所とか身内にいたらあれだけどね。
こちら岬洋介シリーズのスピンオフだったのですね。私が読んだのは単行本だったのでタイトルではわからないんだけど、文庫本では『さよならドビュッシー前奏曲)プレリュード〜要介護探偵の事件簿』となっています。岬洋介シリーズは中山作品の中で人気だから、スピンオフですよってタイトルでわかるようにしたほうのが手に取ってもらえる確率はあがるものね。