いつかパラソルの下で

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

厳格な父が突然事故で亡くなったあと、浮気をしていたことや自分に流れる暗い血に悩んでいたことを知り、知られざる父のルーツをたどる三兄妹の話。テーマからしてもっと沈み込んだ雰囲気の話かと思いきや、意外とからっとしたお話でした。オチの部分についてはもっとちゃんとした解決を望む人もいるだろうけど、私はこれがよかったんじゃないのかなって思います。何も白黒つけるのだけが全てじゃない。あえてグレーにしたままでもいいんじゃないのかなって。その曖昧さをどう自分の中に落とし込んで生きていくのか、それが大事なのではないのかと思います。タイトルから連想したお話とはずいぶん違ったけれど、こういう森作品も面白いなあと感じました。