モモ

子供の頃、母に連れられて映画を見に行ったのが『モモ』でした。今は郊外にシネコンが色々あるけれど私が子供の頃は映画を見に行こうと思ったら都心に出なければいけませんでした。だから映画を見に行くということは今よりもイベント感があることでした。なぜ『モモ』を見に行くことになったのかは覚えていないけれど、たぶん母が見たかったんでしょう。子供だった私がこの映画でもっとも印象に残ったシーンは時間泥棒がいかに時間というものを人間が無駄遣いしているのかを淡々と鏡に数式を書きつけていく場面でした。子供心にすごく怖かった記憶があります。たぶん夢にも見たような気もするし。映画を見てから時間がたって高学年になった私は家の本棚に『モモ』を見つけて読みました。先に映画を見ていたので割とするするっと入っていけたような気がします。
娘達が大きくなってきたのでそろそろどうかなと思ったものの、自分が興味を持った本ではなく親から一方的に与えられた本、しかも380ページ近くもある本を1人で読み切るのは難しいのかもしれないと考えて久々に家での読み聞かせを行いました。結果2カ月近くもかかりどうにか読了。長かったー。だけど、思ってたよりかはちゃんと聞いてたかなって思います。絵本読むのと違ってとにかく文字が多いんですね。だから10分かかっても10ページも読めなかったり。のどはカラカラだし今日はこれくらいでいいかなーと思って「じゃあ続きは明日ね」というと「もっと読んで!」と言われて結局30分以上も読んだ日もありました。どんな感じで娘達に響いたのかはわからないけれど、物語を楽しんではいたようです。あとは読み聞かせって幼児のためのものって思われがちだけど、いくつになろうとも読み聞かせを子供は必要に感じてるものなんだなあと改めて感じました。読み聞かせボランティアを導入している学校が増えているのは先生たちもその大切さを感じているからなんでしょうね。
久々に『モモ』を読んだ感想としては子供のころ記憶していたよりか説教くさいとこあるなあということでした。いや面白かったし素晴らしい物語ではあるんだけど、子供の方が素直に読めたのかなあと。大人になるっていやねえという身も蓋もない感想でした。