わたしたちが少女と呼ばれていた頃

碓氷優佳シリーズ第4弾で彼女の高校時代を描いた短編を集めた短編集。途中までは碓氷優佳はやはり高校時代から頭の回転が早いというか観察眼が鋭いというか少ない情報からよくここまで話膨らませて考えるお嬢さんなことですねえという感じでした。要するにこういう子が身近にいたら勝手にあれこれ推測されて面倒だなあというとこです。それがラストで語り手である碓氷優佳の友人が彼女の根底にあるものに気がついて怖くなるというとこに、そうそうそれこそが碓氷優佳の本領よねと納得しました。過去のシリーズ読んで何があれってそこだもの。ただの頭がいいだけの女じゃないからこそ、碓氷優佳はシリーズ物のヒロインとしての価値があるのだと思うんです。好き嫌いは別として。怖い女だよ、碓氷優佳は。