曾根崎心中

曾根崎心中

曾根崎心中

近松門左衛門作の人形浄瑠璃『曾根崎心中』を翻案にした本。近松版はなんとなーくは知ってるけどちゃんと読んだことはなかったのでこういう話だったのねーと。安野モヨコの『さくらん』とかも描くにあたって参考にしてたのかもしれないですね。
とにかく徹底して女の側の視点からしか物語が語られず、男は女を通してしか描かれていないのでそこが面白いと同時にちょっと怖いなと感じました。恋は盲目。美しく燃える炎のごとくお初の恋はエネルギーをどんどん増していく。しかし、物語が閉じる少し前にお初は初めて疑問を持つのです。そこでぞわっとしました。ああそうなんだ、これが恋の怖さなんだ。美しいのだけが恋じゃない。