長い長い殺人

長い長い殺人 (光文社文庫プレミアム)

長い長い殺人 (光文社文庫プレミアム)

保険金殺人事件を財布目線で語ったミステリー。この本の何が面白いって語り手が財布であることです。すごいなーこの設定。よく思いつくものだよなあと思います。財布たちは持ち主に合わせて色んなキャラ付けがされています。刑事の財布と子供の財布、若い女性の財布。それぞれが違っていてなるほどなーと。人によって財布って全然違うもの、違って当たり前なんだけど面白いなーと感じました。私の財布はどう喋るのだろうか。
1992年に単行本が出版された本なんだけど、犯人像に今っぽさがあるのがすごいなーと思いました。20年以上も前に書かれたのにね。あの当時にどういう受け止められかたをしたのかはわからないけれど、今読んでもすごく古臭いって感じがしないのはそのおかげなのかもしれません。時代の先を読んでた人なんだなあ。やっぱり宮部さんってすごいわ。