マリアージュ・マリアージュ

マリアージュ・マリアージュ

マリアージュ・マリアージュ

結婚をテーマにした短編集。金原さん随分と大人になったなあと感じました。主人公たちの年齢が上がっただけではなく、作家として洗練されたような気がしました。根っこの部分は変わりないんだろうけど、初期作とは作品の舌触りは違います。ヒリヒリする読後感は変わらないものの、ヒリヒリの感触が少し違うというか。場面の切り取り方、言葉の選び方がうまくなったように思います。以前と同じような感覚の作品はもう書かないのかもしれない、でも今の彼女が描く世界が私は面白いなあと思うのです。作家の進化をこうやって追っていけるのはやっぱり嬉しいなあ。
私生活とリンクするように作品のテーマを結婚子育てにシフトしていっている金原さんが次はどのようなテーマを選ぶのか興味深いです。しばらくはこのテーマのまま作家活動を続けてくのかなあと思うけど、彼女が次に何を思うのかが楽しみです。