全日本選手権

今年もやっぱり全日本は熱い戦いでしたね! 予選を勝ち抜いて始めて出場権を得られる国内の試合でもっとも大事な試合、それが全日本選手権です。この試合を出ることを目標に頑張っている多くの選手がいます。そういう特別な試合なんですよね。例によって私はテレビ前アリーナに座ってましたが、気持ちは現地で観戦しているかたと同じくらいの気持ちで応援していました。
女子はテクニカルが非常に厳しく、ジャンプの回転不足を多くの選手がとられていました。スピンステップの認定も厳しかったかなーと思います。こんな厳しくしなくてもいいじゃないかっていう意見もあるけれど、この厳しい判定にもかかわらず点を伸ばしていける選手でなければ世界で戦うことはできないのも事実。誰が見ても回りきっていると思うジャンプを跳び、ルッツフリップを跳びわけ、スピンステップでもきちんとレベルがとれるようにしましょうという宿題なんでしょうね。正しい技術を持った選手を評価するというのが今の流れ。更なる高みを目指していくためには避けられないのでしょう。選手は大変だけど。
優勝した知子ちゃんは難しい構成を滑りきる力を持ちながらもジャンプの回転不足に悩まされていました。そこを乗り越えての初優勝。キスクラでは濱田先生がものすっごく喜んでたのが印象的でした。勝ちにいくために構成を変えて戦略を練ってきたことと努力の天才であること、この2つが実を結んだ瞬間はやっぱりぐっとくるものがありました。
今シーズンのシンデレラガールである理華ちゃんが全日本でもしっかり結果出したのも嬉しかったなー。きっともっともっと遠くまで羽ばたいていけるはず。初出場で3位の新葉ちゃんは可能性いっぱいで今後が楽しみです。怖いのは怪我と体型変化くらいかな。女子選手は16〜18歳ごろの体型変化を乗り越えられるかどうかがひとつの鍵になるので。ただ、ポテンシャル高い子新葉ちゃんにとってはそれすら壁にならないのかもしれませんが。心配なのが佳菜子。今回ジャンプがめった刺しで回転不足なく跳べたジャンプのが少ない上、本人にはあまり自覚がないような感じであったのがすごく心配。彼女のジャンプは癖が強く修正するのは難しそうなだけに今のジャンプ厳格化の流れは大変そう。表現面ではやっぱりうまくなったなーと思うのでここをどうにか乗り越えて一皮むけて欲しいなあというところです。
男子はゆづが見事3連覇。しかも体調不良を抱えたままだったというから驚きです。本当にすごい選手だよ。とにかく今は体をしっかり休めて次へ向けて頑張ってほしいなあと願います。驚きといえばしょうまくん。今季は3Aと4Tの習得に加えてルッツジャンプのエッジエラー矯正をやってのけて正直白目です。普通の選手の3年分以上の成長をたった1シーズンでやってのけるってすごすぎる。タイムスリップして去年の私に伝えても絶対信じないと思うもの。表現は抜群だからあとはジャンプが更に跳べるようになったらなあと言われていたのに、テレビでしょうまくんの武器はジャンプと紹介されていてもうなんていうか変な笑いが止まらないです。それだけ質の高いジャンプが跳べるようになったなんて胸熱。今後が更に楽しみです。
胸熱といえば今年も表彰台に帰ってきた男、小塚さんです。あーもうねーなんていうか、なんもいえないというか。FSでは予定構成を大きく変更して4Tと3Aを2本、その上股関節の怪我発覚以降ずっと抜いていた3Loを入れるというマックス構成にしてきたというのがもうね、嬉しくて嬉しくて。やりきった上での大きなガッツポーズは本当によかったなあ。途中から涙であんまり見えなかったんだけど、ほっとしたやらなんやらでした。正直、こづの3Loはもう2度と見れないのではないのかと思ってたので入れてきてくれて嬉しかったです。12月27日は3Loおかえりなさい記念日。
そんなこんなで迎えた代表発表、まさかのまっちー引退で頭真っ白になりました。まさかまさかここで引退してしまうなんて思ってもなかったもの。ワールド出てからじゃダメなの?とか第九の完成形見せてくれるんじゃなかったの?とか色々頭ぐるぐるしてたまんなかったけど、引退発表でのスッキリした顔見たらもう何も言えないですね。色々考えた上でやりきって悔いなく未練なく競技の場を去り、次のステップへと進んでいく姿を見たら何にも言えない。頑張ってっていうしかできない。正直、まだまだ見てたかったし惜しいよって思うけど、選手の人生は選手であることだけが全てじゃないんだものね。選手をやめてからのほうがずっとずっと長い。だから、セカンドキャリアの道を見つけてその道を歩んでいきたいと決めたのならばその背中を見守ることが外野にできることなのでしょうね。アイスショーには出演するつもりはあるそうなのでその姿をまた氷上で見れる日を楽しみにしています。ありがとう、そしてお疲れ様でした。