問題のあるレストラン

新田さんこと東大ちゃんとキラキラ巻き髪量産型女子こと川奈さんが同じような幼少期を送った根っこが同じ女の子だったということに驚きました。本当は赤やピンクを選びたいのに選ぶことができずに自ら緑を選んだふりをした女の子、それが彼女たち。まるでコインの裏と表のような二人なのです。
川奈さんは恋愛であったり女子であること自体を楽しんで生きている子に見せかけておきながらも、実は男には何にも期待しないと諦めている人でもありました。諦めているというよりも絶望しているといったほうのが正しいのかもしれません。期待するからしんどい、期待しなければしんどくはないもの。そういうのを感じます。しかし、それでも生きていかねばならないし、同じ生きていくのならばどうせなら上手に生きたい、そうも願う気持ちもあります。そのために世の中を上手にわたっていこうと女子であることを演じているのが川奈さんなのです。
だけどそれでも彼女が全てにおいて世の中をうまく泳いできたわけではありません。彼氏にはDVを受けてきたし、職場ではナチュラルにセクハラを受け続けています。
そんな川奈さんに対して新田さんは女子的なものから背中を向け、勉強を選んだということにして生きてきました。しかし、彼女も世の中を泳ぎきるのにも困難を感じています。
全く違う道を選んだはずの二人、しかしどちらも窮屈そうに見えるのが辛いです。根っこが同じ2人が敵対してしまうところに女子の生きる道の難しさも感じます。本当は敵じゃないのにね。きっと最高の友達になれるはずの2人なのに。
信じてもいないのに得意料理は肉じゃがって言わなきゃいけない宗教とはいいかえれば女子にかけられた呪いでもあります。女の子はこうでなければいけない、そうしなければ愛されない、愛されなければ価値がない、そういう呪い。呪いをどうやってとくのか。王子さまのキスを待つのではなく、女子自身が呪いをとく道を探るのがこのドラマなのかもしれないなあと思います。