大奥

大奥 12 (ジェッツコミックス)

大奥 12 (ジェッツコミックス)

長年戦ってきた赤面疱瘡との戦いがやっとやっと終結しました。赤面疱瘡を根絶するまでには長い年月がかかったし、多くの人が関わり、そして犠牲になってきました。その過程を丁寧に見せてきたからこそ、大きなカタルシスがありました。彼らのやってきたことは無駄ではなかったし、未来へとつながる道筋を作ってくれた。
『大奥』で繰り返し描かれる時の残酷さにはぞっとします。人が権力を作るのだとともに、権力が人を作ってしまうという面にも背筋がゾワっとします。母という重しがあった頃の家斉は母の顔色を窺いながらも優しさにあふれた将軍でした。しかし、そんな彼もまた、権力という魔力に絡めとられてしまいました。家斉の変化は必然でもあったのでしょうが、それと同時に無情さも感じます。
いよいよ幕末。明治へのカウントダウンが始まり、物語が閉じるときが近づいてきています。その時がくるのが楽しみなのと同時にもう寂しかったりも。早く続きが読みたいんだけど、終わっちゃうのが寂しい。