恋文の技術

恋文の技術

恋文の技術

やっぱりモリミーが好き、大好きなの、私。ついていきたいの、モリミーに。などと告白で始まりましたが、それぐらい楽しい1冊でした。能登半島島流しにあった大学院生守田さんが色んな人と交わした文通の文面のみで構成されるこの本は、すごく愉快でかつ青春の匂いがする本でした。あるときは恋に悩んでるのかおっぱいにとりつかれてるのかよくわからない友人と、あるときは一枚も二枚も上手な先輩と、あるときは元教え子の少年と、あるときは聡明な妹と、あるときは先輩である作家森見登美彦と守田さんは文を交わすのだ。どこをとっても楽しいんだけど、やっぱこの本はおっぱい談義を抜きにしては語ることができません。「おっぱい万歳」とつぶやく守田さんの背中に、ああ男子ってバカな生き物だよなあというおかしみと愛しさを感じて笑っちゃいました。
モリミーの本を読むといつも京都にいきたーいと思ってしまうけど、今回は能登にいきたーいと思いました。今まで本読んでああこの舞台にいきたいって思ったことってほとんどないけど、モリミーは別。モリミーが描く場所は、いつも楽しげであったりちょっと背筋がぞくっとしたりしつつもとても魅力的に私にはうつるのです。どこかの観光協会とタイアップ組んで書いたらそれこそいいものかけそうだなあって思うけど、どうでしょう。