有頂天家族

有頂天家族

有頂天家族

モリミー流家族小説。とはいってもやはりモリミー、普通の家族小説じゃありません。なんせ狸の家族小説なのだから。主人公は三男坊の矢三郎。阿呆なことに目がない狸らしい性分の狸。その矢三郎を中心に長男・次男・四男に母、何やら企み事ばかりしている叔父一家、怪しい魅力を持つ弁天に天狗の赤玉先生と個性的なメンツがこれでもかと詰まっています。楽しいの楽しくないのって、そりゃ楽しいに決まってるじゃないですか。父の死をめぐって二転三転する真実に心をくじかれながらも必死に生きる狸一家。かわいいなあかわいい。所々ふふっと笑みがこぼれるシーンもあったりで楽しい1冊となっています。読むと狸と京都に会いに行きたくなること請け合いです。