紙の月

梨花にとってお金というのは、誰かに必要とされるための道具なんだなあと見てて感じました。お金は道具であってそれ以上でもそれ以下でもないから彼女にとっては恐れるものではない。だからこそ、彼女はあんなふうに大胆になれるんだろうなあと思うのです。一見普通の家に育った普通の女性っぽく見えるが梨花の大胆さはすごく怖い。怖れを感じず自分を解放していける梨花が私は怖いです。
誰かに必要とされていることを大事にしている梨花、とにかくお金が必要な光太。彼らはお互いにとって必要な関係だからこそ、一緒にいるのでしょう。だけどこれは共依存の泥沼に片足つっこんでるように見えるので非常に危うく感じます。泥沼の行きつく先は決してユートピアなんかじゃないもの。