DIVE!!

DIVE!! 上 (角川文庫)

DIVE!! 上 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

飛び込みに打ち込む男子中高生たちの話。面白かったー!! 水泳の競技は競泳、シンクロ、水球、飛び込みの4つがあります。日本では競泳陣の活躍やシンクロの優雅且つダイナミックな演技に魅了されることはあれど、飛び込みは中々取り上げられることがありません。オリンピックでも話題になることは少ないです。競技人口も少なく、飛び込みをする施設自体が限られていることがネックなのでしょう。だけど、欧米では人気も高く競技人口も多くて競技会で満席になることもあるくらいだとか。日本でのマイナーっぷりからするとびっくりしてしまうけど環境が違うと全然変わるものなんですねえ。この本を読んで飛び込みの面白さが少しだけわかった気がするのでリオオリンピックではぜひとも飛び込みも見てみたいなあと思います。
飛び込みはわずか2秒にもみたないというほんの一瞬にすべてをかける競技です。その短い時間にすべてを出し切ったものが王者となれる。シンプルかつ厳しい競技なんだなあと読んで感じました。この本の主人公は3人の少年でダイヤモンドの原石である知季、クラブを引っ張っていくエースの要一、伝説の飛び込み選手の孫である飛沫。彼らは三者三様の歩みでオリンピック代表の座を狙います。その過程がこれまたいいんです。青春真っ盛りな少年たちが眩く輝いていて目がくらくらしちゃうくらい。スポ根青春物の何が好きってそこがいいんですよ。私は決してその中に入ることはできないタイプの人間だけど、読んでるうちに追体験したような気持ちになれて青春バンザイってなれちゃうのが楽しいんです。
あとは、群像劇としてもすぐれているのがいいなあと思います。主人公3人だけではなくコーチや仲間たちのこともきちっと描かれているので彼ら一人一人の顔を思い浮かべながらわくわくドキドキしながら読むことができました。キャラは多いけど平面的でなく立体的なキャラづくりだから読んでて楽しいの。いろいろ森作品読んできたけど、かなり好きなほうの本になりました。
映画にもなってるとのことでググったら要一役が池松君と知り、俄然前のめりになりました。ひゃーナイスキャスティング! 時間作って見てみたいなあ。