螢

螢

陸の孤島に閉じ込められる言わばクローズドサークルものの王道でありながら、麻耶作品らしいしかけにしてやられました。ええ、キレーイにやられましたともさ。途中まで、麻耶雄高なのに普通の王道物ってどういう事、いつも奇天烈だからたまには正統派いきたかったのだろうか…などとちらっとでも頭によぎった私がバカでございましたよ。麻耶雄高健在です。あーもう、してやられたわ。
しかけその１についてはまあ他の作家さんもやってるし特に奇をてらったものじゃあないです。ちゃんと伏線もあるしよくよく読んでれば違和感に気づき、種明かしの前に真相にたどり着くことができると思います。しかけその2については驚きました。そういうトリック使ってくるなんて予想外だったもの。まさに発想の転換ですね。
麻耶雄高らしい飛び道具的なとこはないけれど、十分楽しんで読むことができました。面白かった。