さいごの毛布

さいごの毛布 (単行本)

さいごの毛布 (単行本)

老犬ホームで働く人の話。老健ではなく、老犬。何らかの事情で飼い主と離れて過ごす犬たちのための施設が舞台なのです。ペットを飼うのが人間の勝手ならば、何らかの事情でペットを手放すのも人間の勝手です。そこの受け皿になろうとしてるのがこの物語で出てくる老犬ホームブランケットです。作中、犬好きには辛い仕事とあったけど読んでいくうちにそれがよくわかってきます。人間のエゴと犬の飼い主への思いを見てたらそりゃつらくなるものなあ。ただ、何かしらの事情があって手放さざるを得なくなった時、こういう場所があったらいいなあとも思います。だって何があるかわからないんだもの。自分の身に何かが起きた時、大切なペットを託す場所があって欲しいと思う。願わくば、全てのペットが幸せに生き抜く場所がありますように。