ど根性ガエル

いやーよかったですね! 何がいいってチームとして丁寧なドラマを作ろうっていう気持ちが伝わってくるとこがすっごくいいなあって思いました。脚本演出役者音楽とそろってみなでいいものを作ろう、視聴者へ届けよう、きっとその思いは届くはずだ、そういう気持ちを持って作られているのを感じるのは一視聴者としてとっても嬉しいのですよ。
舞台はアニメで描かれた世界から時がたち、皆が大人になった世界です。そう、本来ならばヒロシは大人になっているはずです。しかし、ヒロシはヒロシのままでした。彼は永遠のモラトリアムを生きる少年のまま、時を重ねていました。しかし、永遠に続く時間などは本当はないのです。人はいつかはモラトリアムを終えて次の場所へ行かなくてはなりません。ヒロシにとってピョン吉との生活は永遠に続くモラトリアムの世界そのものだったのでしょう。このドラマではピョン吉と過ごす最後の時間を通して大人になるという事を問うお話になるのかなあと思います。変わることと変わらないこと、それぞれをどう描くのか楽しみです。
永遠のモラトリアムを生きるヒロシをはじめ、登場人物はみなアニメから飛び出してきたみたいです。ただし、京子ちゃんを除いては。京子ちゃんはこの街を出て結婚し、離婚して再びこの町へと戻ってきた人です。外の世界を知る彼女だけは、町の人たちとは違った時間で生きてきたのです。京子ちゃんはこのお話においてはノイズになってしまいます。ノイズである京子ちゃんと終わりが見えかけているピョン吉の命、この2つが物語を回していく大きなカギになるのかなあと思います。
アニメの時間では生きてこなかった京子ちゃんだけ、芝居のトーンが違ったのが面白いなあと思いました。そしてそこにあっちゃんを持ってくるのもなるほどなーと。面白いキャスティングですね。私はアイドルのあっちゃんが好きだったけど、女優のあっちゃんもやっぱり好きだなあと思いました。
それにしても技術の進化ってすごいですね。あんなにも生き生きとピョン吉が動く姿が見れるなんてビックリでした。しかも思っていた以上にピョン吉が動くシーンが多くてすごかった。だってこれ連ドラでしょ? 単発のドラマや映画ではなくて毎週放送されるわけじゃないですか、この夏。合成班、大変だろうなあ。連ドラ終盤は相当きつそうな気がします。でもでもピョン吉が生き生きと動く様子があってこそ、このドラマはより輝くと思うのでぜひとも頑張っていただきたいなあと思います。
とにもかくにも予想以上に楽しめた初回でした。どういうふうに物語が着地するのかも込みでとっても楽しみです!

表参道高校合唱部!

ベタだけど言っちゃう、やっぱり歌っていいですね! 合唱部分はすーっと入ってきて心地よかったなあ。歌だけで十分見せられるドラマだと思います。この夏はキラキラした歌声を聴けるんだと思うと楽しみだですね。
それだけに、スクールカーストやいじめの話はあえて入れなくしてもよかったんじゃないのかなあと感じました。歌をよりドラマチックに見せるため、主人公への逆風として入れられたのだとは思うのですが私はもっとシンプルに見たかったのでううーんって思っちゃいました。そういう描写を入れなくとも、ちゃんと歌に説得力があっただけに過剰に感じてしまって。歌はよかったので継続するけど、できれば違ったハードルを主人公には課してほしかったなあ。

デスノート

原作、映画版と設定を変えて挑むドラマ版デスノート。色々な制約もあったからなのかどうかは知りませんが*1、いくつかの改変がありました。
ドラマでは月は平凡な大学生活を送りながら父と妹との3人暮らしをしています。父と息子にはこんな確執の種があったんですよーというためなのかどうかは知りませんが、原作では存命だった母は亡くなっています。天才ではない月は居酒屋バイトに勤しみながらドルオタ活動をする大学生。ライブでペンライトだって振っちゃいます。だってドルオタだもん。
ドラマ版Lはスイーツ断ちをして座り方だって変えちゃいました。その結果、Lのキュートさが目減りしてしまいましたがそんなことはドラマ版ではさほど重要視されていないのかもしれません。もしくは今後、違った形でLのキュートさの演出が行われるのかもしれませんが。
そんなこんなでデスノート1話の感想としては、「これ2次創作だな」でした。2次創作だと思えば悪くはないかなーと。月が天才ではなくなったけど、もし月が普通の大学生だったとしたらこんな感じで物語が始まるというのはありだとは思いました。あとはなんといっても窪田くんの演技力で場が持ったのは言うまでもなく。ただ、私にとってデスノートの魅力って天才VS天才の頭脳戦なんですよね。デスノートというアイテムの設定そのものも面白いんだけど、やっぱりこの物語の肝は天才VS天才の頭脳戦。だから月が天才という設定を変えたという事でどう物語を展開していくのかはドラマスタッフの腕の見せ所だと思います。
あとは、キャラ設定の改変をどう受け取るかですかねえ。そこを受け入れられたら割と楽しんで見れそうかな。総じて言えば、原作知らずに見た人のが断然楽しめてていいなーでした。まあでもあれですね、中途半端にキャラだけ変えちゃうくらいならばいっそのことデスノートって言うアイテムだけが共通の全くのオリジナルストーリーにして原作ではなく原案くらいのほうのがよかったかななどと思ったりもしました。だってあれだけキャラ違ったら2次創作なんだもの。
とりま初回で1番面白かったのは月の部屋のカーテンが画面に映って「うちのカーテンと一緒。ニトリのカーテンだ」とついったで祭りになってニトリのサイトがアクセス殺到して落ちたことですかね。みんな、ニトリ大好きなんだね。

*1:少なくとも予算的にはそりゃ制約はあったとは思いますが。映画と同じだけの予算はかけられないものね。

きのう何食べた

シロさんもいよいよ五十路というわけで老いをめぐる話が気になるところです。自分も年をとれば、周りも年をとる。自分が年をとれば親も年を取るのです。親の老いって子供心には微妙な気持ちにもなったりします。シロさんの両親の様子は近い将来の親の姿なのかもしれないと思うと、色々考えてしまいます。そうこしているうちに自分の老いの事も考えなくちゃいけなくなってくるし。

響け!ユーフォニアム

あー面白かった! ついったで評判が題材が吹部ということでじゃあ娘と見るかなあと軽い気持ちで見てみたら、思いのほかぐぐぐっと前のめり視聴となりました。久々に自主的にアニメ視聴したんですが、アニメっていいものですね。私のオタクの原点が二次元にあったという事を思い出しました。
響け!ユーフォニアム」は京都府にある高校の吹奏楽部を舞台にしたアニメです。過去には全国大会へとコマを進めたことがあるものの、近年は府大会止まりでした。そんな彼らが全国大会へと夢見て吹奏楽に打ち込むお話です。これね、何がすごいって1話1話の密度がすっごく濃いんですよ。アニメは1話30分。しかし、たった30分されど30分なのです。30分ってこんなにもドラマチックに物語をすることができる時間なんだなあと。すごいなあ。
吹奏楽は1人では成立しません。みなと音を重ねることによって音色を紡いでいきます。描かれる部活あるある、チームものあるあるには苦い思いをしたりしながらも良質な物語を堪能できる幸せをかみしめたものです。
最終回は泣いたね、泣かずにはいられなかったですね。京都府大会の1日を描いたのが最終回だったのですが、大会当日の朝の様子、出番を控えて高まる緊張感、本番の舞台の上で演奏するメンバーたち、舞台裏の控えのメンバーの様子、楽譜に書かれたメッセージ、結果発表。その全てが胸に迫ってきてたまりませんでした。あーもうみんな大好きだよ!っていって抱きしめたい気持ちでいっぱいになりました。
とりま、早いとこ2期制作決定の一報が入るのを待っています。だって原作まだあるんだもの。やろう、やりましょう。ちなみにですが、私原作まとめて購入しました。だってユーフォニアムとこれでお別れなんて寂しすぎるんだもん。まあそうしたら速攻で娘にとられましたがね。長女はともかく次女には感じが難しくて読めないんじゃないのかなって思ったのですが、そんなの関係なく読んでます。すごいなあ、好きって色々なものを超えてくんですねえ。とりまお母さんも早く読みたいので、読み終わったら返してね。

大奥

大奥 12 (ジェッツコミックス)

大奥 12 (ジェッツコミックス)

長年戦ってきた赤面疱瘡との戦いがやっとやっと終結しました。赤面疱瘡を根絶するまでには長い年月がかかったし、多くの人が関わり、そして犠牲になってきました。その過程を丁寧に見せてきたからこそ、大きなカタルシスがありました。彼らのやってきたことは無駄ではなかったし、未来へとつながる道筋を作ってくれた。
『大奥』で繰り返し描かれる時の残酷さにはぞっとします。人が権力を作るのだとともに、権力が人を作ってしまうという面にも背筋がゾワっとします。母という重しがあった頃の家斉は母の顔色を窺いながらも優しさにあふれた将軍でした。しかし、そんな彼もまた、権力という魔力に絡めとられてしまいました。家斉の変化は必然でもあったのでしょうが、それと同時に無情さも感じます。
いよいよ幕末。明治へのカウントダウンが始まり、物語が閉じるときが近づいてきています。その時がくるのが楽しみなのと同時にもう寂しかったりも。早く続きが読みたいんだけど、終わっちゃうのが寂しい。