マルコの夢

マルコの夢

マルコの夢

キノコに取りつかれた話、キノコバカ一代記。就職浪人した青年が、姉夫婦の誘いでパリのレストランのキノコ係になるところから話が始まるんだけど、あれよこれよと話が進むうちに、何やら違った話になっていって面白かったです。

キノコは全部を仕組んだわけだ。名古屋からパリ、東京のこのアパートまで、半年がかりの旅をさせたのだ。半年? ううん、二十二年の旅路だろう。なんともまだるこい道のりだ。ただし、不死のキノコにとってはほんの一瞬、屁をかますよりあっという間の時間だっていうのだろう。

後半はまさに不思議ワールド全開って感じで、とくにこの引用部分が笑えます。この何とも言えないユーモラスさがチャーミングだと思うんです。こういう小説、好きだなあ。