ST 緑の調査ファイル

ST警視庁科学特捜班  緑の調査ファイル (講談社文庫)

ST警視庁科学特捜班 緑の調査ファイル (講談社文庫)

STシリーズ。今回のメインは結城翠。音を文字であらわすのは難しいけれど、思っていたよりも伝わってきて面白かったです。

「人の感覚なんて当てにならないものだよ。菊川さんが聞いている音と僕が聞いている音は実はまったく違うのかもしれない。でもそれを証明することは絶対にできない。そんなことを確かめるより、その音を聞いてどう感じるかを話し合うほうがずっと重要なコミュニケーションなんだ。それこそが共感なんだよ」

青山のセリフ。これは音だけじゃなくて、すべてのことがそうなんだと思います。同じことを経験してもその人によって感じ方は全く異なります。でも、違うのは仕方がないことだし、当たり前のことです。大事なのは、それをどう思うのか。あの人と私は違う人間だから違う感じ方をするのは当たり前だと思えるのかどうか。お互いの違いをわかって、それを尊重しあえる。それが理想だけど、なかなか難しいものですね。