純情エレジー

純情エレジー

純情エレジー

純情官能をテーマにした7つの短編を収めた短編集。読みやすかったし面白かったです。思ったほどエロエロじゃあなかったし。もっとエッチな話ばっかだと思ってたので、やや拍子抜けの感はあるけど。このなかだと「17歳スイッチ」が1番好きかなあ。
官能小説をテーマにしたってことでデビュー作を比べて見ると、ああやっぱうまくなったなあと思います。一応、豊島ミホは著作の半分以上は読んでるはずなんで、その上達ぶりは読者としても嬉しいです。ただ、田舎に住んでるもしくは住んでいたが故の鬱屈感だとかは正直読み飽きたので、違ったテーマで読みたかったとは思うものです。「避行」「結晶」の2つなんかは読んでて痛々しかったです。このあと、豊島ミホが休筆したことを想うと、ああ苦しかったんだなあと言うのが伝わってきて休むのもやむを得ずなのかなーという気がしました。リフレッシュしたら今度は違ったテーマで挑んでくれるのを期待したいです。