風が強く吹いている

風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

本当は箱根駅伝の前に読んどこうと思ったのにタイミングを逃しちゃったので、スポーツつながりでバンクーバーオリンピック期間中に読もうと思い、読んでみました。結果としては、この時期に読めてよかったんじゃないのかなーと思います。
内容的には爽やか青春スポーツ小説ってところ。やっぱ、ファンタジーだなあというかうまくできてんなあ面は否めません。が、それだからこそよかったのかもしれないと思います。何も正面切って全てをリアルに描くだけが小説じゃないんだし。フィクションにはフィクションにしかできないことがあるからこそ、人は作り物の物語を欲するのだと思います。
箱根駅伝を走ってる最中、10人それぞれが自分と向き合いながら走っているのは面白かったです。私は運動音痴でスポーツはもっぱら見る専門なんだけど、こういう風に自己と向き合いながらするものなんだなあというのが興味深かったです。こうやって自己と向き合い、逃げないことで真の強さを身につけていく過程が人を引き付けるからこそ、アスリートにひかれる人もあとを絶たないんだなあと思いました。