それでも、生きてゆく

今回、もっとも私の涙腺を刺激したのは草間が峻輔を真岐の病室に連れていき延命治療拒否の書類にサインするところ。辛い、辛すぎるよ。どんな思いでサインするのかなんて言葉にできるわけがない。逃げ場がない、辛いドラマだけどせめて真岐が奇跡的に回復してくれたら少しは楽になるのになあというのをファンタジー路線ではないほうへと走っていく物語が辛かったです。
そして今回のクライマックスはなんといっても洋貴・双葉・文哉の3人のシーン。洋貴が一生懸命あんなに語ったのに文哉から出た言葉は「オムライスまだかな、お兄ちゃんおなかすいてるんだけど」。もうね、この破壊力すごすぎ。文哉のセリフだけを切り取ればなんてことないセリフなんですよ。全然インパクトなんかない普通のセリフ。何気なく書かれて見てるほうもすぐ忘れちゃうような平凡なセリフ。だけどどのセリフを受けて出た言葉かという事を考えるとありえないセリフだと思います。うわーすごいわー。そりゃーね、響子や双葉があれだけ心からぶつかったのに何にも響かない文哉だもの、洋貴のセリフが響くわけがないっていうのはすごく当たり前なんです。別に驚くような事じゃない。だけどやっぱり見てる私はショックなんですよねえ。たぶんだけど、私は言葉の力を信じてる人なんです。ちゃんと話せば、向き合えばいつかわかりあえる事があるはずだって。言葉は希望だものって。だーけーど―、それを木端微塵に破壊してくれちゃってちょっと呆けてます。ここまでのディスコミュニケーションって早々物語では描かれないですよね?
そしてその後の洋貴がバカ笑い、双葉は涙のシーンが何ともいたたまれなかったのでした。あえてそこでセリフをいれずにみせてくるあたりが小憎いわ。それでもってラストの双葉のとび蹴りからの馬乗りになってひっぱたくシーンの流れがすごかったです。来週最終回なんだよなあと思うと寂しくもありドキドキでもあったり。来週の今頃、私はこのドラマについてどう感じてるのだろうか。