青の炎

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)

切ない、ただとにかく切ないお話でした。読みながら物語がどこへ向かっていくのかある程度の予測はしてたので衝撃のラストってほどじゃなかったけれど、でもしんどかったです。読んでる間中、胸の奥がギュっとされているようでした。本当ならばどこかへ行ってしまえればいいのに、それすらもできずにもがいた結果に待ち受けていたものがこれだったなんて本当にやりきれない。もし彼が高校生ではなく大人であったらばもっと違った未来だってありえたのかもしれないのに。
途中、『山月記』を絡めた話が出てくるんだけどこれがまたうまいのなんのって。タイトルのつけ方といい、そこらへんの細かいディテールの生かしかたがいいなあと思いました。
映画版ではニノとあややが演じてそうでこれまた気になるところ。今度借りてきてみようかなあ。こういう役、ニノは絶対うまいに決まってるしね。