私たちが星座を盗んだ理由

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)

5編の話を集めた短編集。ちょっと現実から少しふわっと浮いた感じが雰囲気あっていいなあと思いました。なんていうか童話を読んでるような感じ。まあ、童話というのにはきつい話もあるんだけど包む込む全体の雰囲気はそれっぽい気がします。裏表紙を見るとどんでん返しに重きを置いた作品という呼びこみだけど、そこまで意外性があるとかいうとオチが読めるのもあったのでもう少し違った売り方してくれたほうのがよかったんじゃないのかなーという気がしないでもないです。ミステリを前面に押し出さないほうのがよかったんじゃないのかなーと。そのほうが新しい読者も開拓できそうだしいいと思ったんですが。普段ミステリ読まない人でもすうーっとはいっていけそうだし。そこらへんが編集者の腕の見せ所だと思うんですけどねえ。
5つある短編のうち、オチの意味がよくわからなかったのが「妖精の学校」。なのでラスト1行をググってみたらお話全体の印象ががらりと変わってビックリ。あーそうかそういう話だったのねーというのを頭において再読すると全く違った絵が浮かんできてなんともいえなかったです。これはググらないと意味がわからないものだけど、たまにはそういう仕掛けがあってもいいんじゃないのかなーと思いました。