荒野

荒野

荒野

小説家の父を持つ少女・荒野のローティーン時代の話。私が何故にこの本を読もうと思ったかというと娘が買った「なかよし」にコミカライズされて連載されていたからです。なかよし×桜庭一樹×タカハシマコってどういう組み合わせだろうって*1
荒野の恋(1) (KCデラックス なかよし)

荒野の恋(1) (KCデラックス なかよし)

この本は少女の恋と体の話を描いています。それを象徴するのがこのセリフ。

恋とは、性欲を伴う強い好意だって

これを中1の子に言わせるのはまあ何ともかんともといったところ。言ってることは正しい。時と場合にもよるけどね。ただ、これをなかよしという小中学生向けの少女マンガ誌でやるのか…と思うと私が子供の頃とは編集方針が変わったんだなあと思いました。私はこの小説のコミカライズはなかよしじゃなくてもっと対象年齢が上のマンガ雑誌で行ったほうのがいいと感じます。全体を通して読んでみればさほど気になる表現はないんだけど、所々小学生に読ませるにしてはあれだよなあという部分があったので*2。そこら辺は編集部としてはどう感じているのか気になるところ。講談社の他の少女誌ではなくなかよしでなくてはいけない理由っていうのがちょっとよくわからなかったなあ。今、なかよしではAKBのマンガを連載してインタビューも付録もAKBを使ってるから小学生も手に取るわけですよ*3。うちだって例外じゃないし。「マンガはお小遣いの範囲内で」が我が家のルールなので買えるときだけ買って毎月買ってるわけじゃないんですけどね。
小説自体は少女の体の話が肉感を持って感じられる点は面白いなあと思いました。思春期を通過してそれがすでに過去のものになった大人が当時を懐かしんで読む小説としては私は十分ありだと感じます。こういうことをいうのはあれなんだろうけど、女性作家ならではのお話ですね。ディテール部分にそれが表れている。

*1:ちなみに桜庭一樹×タカハシマコの組み合わせは『青年のための読書クラブ』以来2作目

*2:12歳の荒野が押し倒されてシャツがずりあげられて胸が露出するシーンがある。私が漫画版を読んだのは6〜8話分だけなのだけど、割と原作のまんまコミカライズされていると思ったのでこのシーンもこのまま書いたのだろうかちょっと気になるところ。

*3:なかよしが毎年募集しているなかガールというなかよしの紙面でお仕事する少女の中には小学3年生の子も在籍してるのでそこら辺の年齢層は読者そうとして当然想定しているわけで。