てるてるあした

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『ささらさや』の姉妹編で夜逃げでささらにやってきた少女照代の話。『ささらさや』を読んだ時は主人公のさやさんにちょっといらっとしたりしてもやーとした部分もあったけど、こちらはそんなこともなく物語にぐぐっと入っていけました。でもってやはり私は加納作品が好きなんだなあと改めて実感しました。狩野さんが向ける眼差しは決して優しいだけではありません。厳しさも入っています。だけど、読んだあとに残るのはあったかな気持ちなんですよね。よかった、この本に出会えて。そう心から思える本って意外とそう多くはありません。だからこそ、そういう出会いは大事なんだと思うんです。