舞いあがれ

カムカム、ちむと最終回迎えて次のが始まる前に感想書いてるので今回も最終回を終えての感想です。

終わってみれば最終回の空飛ぶクルマで舞とばんばが五島の空を舞い上がるシーンがまず念頭にあり、そこから色々考えて作っていったんだなというのがわかる。ああ、だからそのためになにわバードマン編があり航空学校編があったのだなと。

ふんわりした福原遥ちゃんが演じてたから幾分薄まったとこもあるものの、舞は我が強いし根性の人だしこうと決めたらそこに向かって一直線に突っ走ってく人だった。帰国できずにいる貴司との電話で思いつくことが空飛ぶクルマのこととかさーいやーさすが舞だわと思ったもん。それでこそ岩倉舞だよ。えええーっ?そっちなの?とか思ったりもしたが岩倉舞という人のキャラ設定としてはブレがなかったよね。

私は子供時代と航空学校編が好きでした。物語の入り口としての子供時代、学園ものはやっぱり楽しいなの航空学校編。キャラでは悠人と久留美が好きだったので2人が幸せになれてよかったなあ。まさか終盤まで貴司の葛藤が描かれるとは思ってなかったが悩める赤礎くんは素晴らしいからそりゃそういうの入れたくなっちゃうよねえみたいな気持ちで見てた。

舞がずっと父の娘だったのは、空飛ぶクルマが乗せた色んな人の思いの中に浩太も入ってたから。だから舞は父の娘であり亡き父の叶えられなかった夢を実現目指し突っ走っていく娘だった。なるほどねと納得しつつも私は舞がずっと父の娘であり続けたのが居心地悪かった。舞自身はそれこそが自分の夢であり、なすべきことであると信じて走り続けたわけだがどうにも私は微妙な気持ちにしかならなかった。浩太が倒れたことによってパイロットを諦めてIWAKURAで働くことにした舞。そこで優先されたのは父の娘であることだった。広い世界へと旅立つことではなく、生まれ育った馴染みのあるコミュニティで生きてくことを選んだのだ。私はこの航空機のパイロットを諦める件って舞が外界へと羽ばたくか閉じたコミュニティで生きるかの大きな分かれ目だったと思ってる。

舞いあがれの世界は閉じたコミュニティで完結しててそこがちょっとモヤモヤしちゃう。せめて結婚か親友か仕事か何一つくらいは違うとこでもよかったのでは?舞だけでなく、久留美と悠人が結婚したり山田も社内結婚したりとみんな顔見知りの中で完結してる。

舞と同じく父の娘だった久留美。この物語は父の娘として父と伴走し、支え続ける娘の物語だった。決して父を否定しない、父に寄り添い続ける娘の物語。だから浩太の夢は舞の夢になるし久留美は佳晴を捨てることはしなかった。ここら辺、私はめちゃくちゃ居心地悪かった。そろそろ朝ドラは親を捨て決別する話もやったらいいのになと本筋とは関係ないとこで望んでしまう。ヒロインにその役割を課すのが難しければ他のキャラでもいい。親を許したり和解したりせず、生きてく人がいたっていいじゃない。

どうしても気になったのがめぐみは舞がパイロットを諦めたことをどう思ってたのかである。舞の夢を変えさせたことを悔やんでるのか、側にいて一緒にいてくれることを嬉しく思ってたのか。そこがよくわからなくて。ここら辺は朝ドラ週5体制になり尺が足りなくてめぐみを深掘りすることができなかったからかなとも思うが、1シーンとかでいいから何か触れて欲しかった。台詞ひとつあるだけでもよかったんだ。

尺の都合と言えば空飛ぶクルマ開発をもっとじっくり見たかったなーと。技術的なことだけでなく、運用面をどうクリアするかがとても大切であり、舞はそれこそしゃかりきに頑張ったと思うんだよね。だってそういう人だもん。張りきりガール岩倉舞の本領発揮じゃないですか。でもってその話ってめっちゃ面白そうじゃないですか?あーもったいないーもったいないよー。まあ、未来の話なので色々難しくてあえてふんわりさせたのかなとも思うけど。