2023年12月の読書

2023年12月の読書まとめ

読んだ本:9冊

読んだページ:2676ページ

ナイス:290ナイス

#読書メーター

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12月は何といっても綿矢りさ『嫌いなら呼ぶなよ』がよかった。綿矢さん絶好調だわー。史上最年少で芥川賞受賞した時は大人になった綿矢さんがこういう方向に尖ってくとは思ってなかった。それは続けてきたからこそ見える景色であってやっぱり続けることは大事なんだなあと実感する。若い頃も好きだったが今も変わらず好きな作家さんである。

武田綾乃『可哀想な蝿』もよかった。4編の短編を収録した短編集なのだが「重ね着」以外がぞわぞわっとする話で私にとってはホラー小説であった。幾度となく言ってるが一番怖いのは生きてる人間なんだよ。死んだ人よりずっと怖い。武田さんといえば綿矢さんと同じく学生時代にデビューし、早くから評価され売れてきた作家さんである。若い作家が年を重ねて変わりゆく様を見守るのもまた、楽しみのひとつである。

2023年ドラマ

私的2023年好きなドラマ10作を考えてみました。順位は特につけずに10作あげてます。

NHKでドラマ化してくれるのを願っていたのですごく嬉しいしその上脚本森下佳子って私のためのドラマ化なのでは?って思う程にグッとのめり込んで見たドラマです。期待値ガンガンに上げて見たのにそれを軽く越えてくるって本当にすごい。こんな幸せな映像化はないですわ。

 

  • どうする家康(NHK)

色々言われたりもしたけど私は楽しく1年間視聴しました。老けメイクすごかったなあ。

 

  • ブラッシュアップライフ(日テレ)

面白かった!一挙放送あったので録画して見直してるけど色々仕込んでたのねえと2周目見ても楽しい。それにしてもバカリズムは女子の会話書くのうまいですね。

 

  • だが情熱はある(日テレ)

尻上がりに良くなっていって面白かった。皆さんご本人への寄せ方がうまくて驚いた。山ちゃんの拗らせ方にいらっとしたりもしたけどそれ込みで面白かった。主題歌は「こっから」「なにもの」共によくて個人的には主題歌賞だったりする。

 

  • 今夜すきやきだよ(テレ東)

TLで評判良くて見てみたらこれはぐっとくるわ。今の気分に寄り添ってくれる物語であり、ちゃんとアップデートしてるとこがいいよね。オープニングもエンディングもどちらもかわいくて好きだった。何度見てもニヤニヤしちゃうかわいさだよね。

 

  • 彼女たちの犯罪(日テレ)

元アイドル女優たちをメインに持ってきてこういった話をやるのは興味深いなあと思う。男を巡り女たちが対立するのではなく共闘してくのが令和なんだろうなあ。情報をどこでどう出すのかコントロールしてて見せ方としても私は好きだった。あっちゃんは今年かしましめし、育休刑事にも出演して3本の連ドラ出演してたがどれもよかった。冬クールも出演あるので楽しみ。

 

  • おとなりに銀河(NHK)

コミュニケーションと自己決定の物語としてすごく好きだった。第一週は何か独特な雰囲気のドラマだなあって感じだったのに。

 

  • 時をかけるな、恋人たち(フジテレビ)

30分でさくっと見れてちゃんと辻褄合わせてくれるのがスッキリしたのもあるが吉岡里帆がかわいくてかわいくて。瑛太もかわいくてね。かわいいとかわいいが大爆発だったよ。

 

  • リバーサルオーケストラ(日テレ)

玉響のみんなが大好きだよ!回を重ねる毎に玉響メンバーへの愛着が湧いていった。田中圭は今一作品に恵まれてない感があったが朝陽はいい役だったなあと思う。

 

  • セクシー田中さん(日テレ)

初回でぐっと掴まれたドラマ。思ってたのと全然違うドラマだったがいい意味で裏切られた。シスターフッドによって女性を解放するだけでなく、男性も解放してく物語だった。めるるは役に恵まれてるなあ。今後の活躍が楽しみ。

 

NHK3作、日テレ5作、テレ東1作、フジテレビ1作。めっちゃ偏ってる。次点としてはこっち向いてよ向井くん(日テレ)、パリピ孔明(フジテレビ)、初恋ざらり(テレ東)、きのう何食べた(テレ東)、それってパクリじゃないですか?(日テレ)、らんまん(NHK)、コタツがない家(日テレ)等々。

振り返ってみて日テレ日曜ドラマが枠としての方向性が定まってきた感があって面白い枠に育ってきたのを感じます。4作中3作を上げてる程には打率がよいもの。日テレはプライムタイムのドラマ枠3つがいい意味で差別化できてるから見やすいのかもしれない。

フジテレビは月9をどうしたいのかがやっぱりわからなくて。真夏のシンデレラがもうちょいうまくいってたら違ったのだろうか。金9は始まったばかりなのでもうちょい様子見かなあ。

テレビドラマって時代を写す鏡だと思うんです。連ドラの空気感ってそうだと思うのですよ。そこが撮影から公開まで時間があく映画とは違うんだろうなあと。2023年の気分としては共感とか寄り添うとか人を分断しないことと自分らしくあること、その人らしくあることを尊重するとかが私としてはキーワードでした。

2024年も面白いドラマにたくさん出会えることを願って本年のはてなブログの更新を終えたいと思います。皆さんよいお年を。

どうする家康

今年も無事、大河ドラマ完走しました。色々言う人たちはいたが私は好きでしたよ。そうじゃなきゃ完走できないし毎週感想書くこともなかったよ。見たい、感想書きたい、そういう気持ちになれたのは私自身が楽しんで視聴してたからだもの。誰かに強制されたわけでもないしね。初めて大河ドラマ館行ったりトークショー応募して当選したりとはじめましての経験させてもらえてよかったと思ってる。

最終回まで終わった今、改めて全体の構成を見てみると岡崎での幸せな日々が家康の原点として設定した物語だったのがわかる。築山殿事件を折り返し地点に設定したのはだからなのかと。放送時はペース配分を心配したものの、トークショーにて全48話のあらすじを作ってから書き始めたと聞き、あえてこの構成にしたのだと知ってからはじゃあドンと構えとけばいいのねと安心したのを覚えてます。

大河ドラマって史実をなぞっていればそれでいいのかといったらそんな単純な話じゃなくて、史実をどう膨らませて物語にしてくのかが大事なんだと思う。私たちが知ってる史実と史実の間には実はこんなことがありえたのかもしれない、そこにドラマとしてどう説得力を持たせるかが大事じゃないのかなーと。史実をなぞるだけなら歴史書読んでたらいいもん。

 

大奥

よしながふみの『大奥』は映画で水野編と綱吉編、TBSで連ドラで家光編が実写化されている。しかし、全編の映像化はされていない。2023年にNHKでついに完結までをドラマ化されることが発表された。私の長年の夢だったNHKでのドラマ化である。しかも脚本は私が信頼をよせる脚本家の1人である森下佳子である。何この夢のタッグ、私の夢の具現化である。とても嬉しかった。そしてドキドキしながら視聴した大奥はとてもよいドラマ化だった。キャスト・スタッフ共にこれ以上のものはないくらい素晴らしいドラマ化だった。大奥を見たいという私の気持ちがちゃんと成仏できた。ありがとう、本当に本当にありがとう。

欲をいえばカットされた数々のエピソードをスピンオフで見れたらいいのに…くらいですかね。家綱編も江島生島事件も見たかった。もうひとつ贅沢言えば大河ドラマで見たかったですね。大河ドラマでというか、大河ドラマくらい尺取って見てみたかったというのが正しいのかも。だってさー尺足りないんだもん。大河ドラマなら倍時間が取れるわけでやはりそこは大きいな…と。今回のチームは大河ドラマ『べらぼう』のチームで制作されてるそうなので『べらぼう』への期待値も上がりますね。楽しみー!

私はこの手の本ってあまり買わないんだけど対談とインタが気になったので買っちゃいました。よしながふみ森下佳子・岡本Pの対談は読めてよかったなと思います。岡本Pは16年前から大奥ドラマ化を考えていたそう。無事実現して何よりである。嬉しいなあ。やりたいと願い続けることって大事ね。願い続けてくれてありがとうございました。本当に本当に嬉しい。

2023年11月の読書

2023年11月の読書まとめ

読んだ本:12冊

読んだページ:2784ページ

ナイス:285ナイス

#読書メーター

https://bookmeter.com/users/709153/summary/monthly/2023/11

11月は長編小説1冊短編小説2冊で3冊しか小説を読まなかった。エッセイは3冊。エッセイは好きなのであれば読んじゃう。長年SNSはてなやってるくらいなので日記やそれに準じたものが好きなんですね。思うところがあり依存症関連の本を2冊読んだ。簡単ではないですね。難しいなあ。本当に本当に難しい。現代は色んなものが依存症へと誘い込む。

 

通知表の話

娘の中学は3学期を除き、通知表は個人懇談で手渡しされていた。その際、疑問点や気になることがあれば直接聞いてもらって構わないという方針だった。私が聞いていたのは、もう少しで上がりそうな教科はあるのか、下がりそうな教科はあるのかだった。先生は資料を見ながら自分の担当教科以外についてもきちんと教えてくれていた。

4月に授業参観PTA総会学級懇談会のコンボの日があるのだが、PTA総会後に先生紹介があり、そこで言われたことがある。

「通知表で何か疑問を思うことがあればいつでも聞いてください。教師が個人的な思い入れなどで成績をつけることはありません。我々そこまで堕ちてはいません」

先生方としてもよっぽど色々あったのかなあと察してしまった。どうしても外から見たらブラックボックスに見えてしまう面は否定できないから色々なこともあるのだろうなあと思う。それこそネット見てると色んな話が転がってるしね。むしろ、リアルでは言いにくい話かもだしね。

本が本を呼ぶ

ここ数年は大体年間読書量100冊くらいできている。月8~10冊程度読んでるのでまあ大体こんな感じですね。しかしですね、読んでも読んでも積読も読みたい本リストも減らないのです。減らないどころかどちらも増え続けているという。おかしい、何かがおかしい。しかし事実として増え続けているのだ。本は本を呼ぶ。それ以上でもそれ以下でもない。

私はブックガイド本が好きである。かっちりした書評も好きだしエッセイテイストなブックガイドも好きである。ああ、こんなにも私の読んだことのない面白い本が世界にあふれてるのだと思うとワクワクしてくる。

ネットでおすすめされてる本もまた、魅力的である。こんなに面白い、楽しい、ココロオドル本があるのだと熱弁されてるのを読むと私も読んでみたいと思うのだ。特にSNSでフォローしている方々が勧められていると気になってくることが多い。この人が面白いというのならばきっと面白いのだろうと思えるからである。他の誰でもないあなたがおすすめするのならばということである。私にとってその方々はブックソムリエだ。信頼するブックソムリエなのだ。私では辿り着けなかった場所を教えてくれるのはありがたい。

こうして今日もまた、私の読みたい本リストが膨らんでいくのである。