おひとりさまの老後

おひとりさまの老後

おひとりさまの老後

高齢化社会、配偶者に先立たれるだけではなく子供に先立たれる人も増えています。離婚して途中でシングルになる人もいるし婚姻率自体も下がっていて非婚者の割合が徐々に上がってきています。誰もが最後はおひとりさまになる可能性があるのが今の世の中。ではおひとりさまの老後の正しい過ごしかたとは一体何なのでしょうか。これが本の趣旨です。
twitterでもうだうだ書いてたんだけど、私はどうもこの本に納得できないです。だってこれ強者の論理なんだもの。女性でありながら東京大学教授まで上り詰めた成功者の考えるベストな老後の過ごし方ってどれだけの人の参考になるんだろうか。誰もが上野式を実践できるわけではありません。フローできるだけの資産があってお互いにいい意味で利用しあえるだけの友人を作ることができるコミュニケーションスキルを持ち得る人だけが参考にできるんだと思います。この本を読むに対象年齢は50代以上の人だと考えるけど、でもそういう人たちが今更この本読んで老後の生き方を変えられるかといったら難しいのではないでしょうか。だってこの本の書いてある事が実践できるような人って若いうちからそうだと思うもの。人間、老後を真剣に考えなきゃいけないような年頃になってから変わるのは非常に難しいのではと感じます。
あと読んでて一番気になったのは、じゃあフローするだけの資産もなく仕事関係以外の友人関係を作るコミュニケーション能力がない人たちはどうしたらいいのだろうか。この先こういう人ってどんどん増えてくと思うんだけど。高齢者による生活のためのスーパーでの万引きなんてニュースは上野千鶴子にとってはお客さんにならないからどうでもいいのだろうか。正直言って今の20代30代は親のように資産を築けるとは考えていない気がします。年金の額だって違うのは目に見えてるし。でもその事が親世代にはいまいち実感としてちゃんと伝わっていない気がします。「世間のニュースでは色々言ってるけどうちの子は大丈夫☆」って思われてそう。少なくとも義両親見てるとそう思ってるのが伝わってきます。いやいやいや、私らそんなことはないですよ。
これから先、フローする資産や使えるネットワークを持つことができるコミュニケーション能力に長けてる人はそれを利用すればいいんです。でもそうじゃない人も確実にいるんだから、そういった人たちをいかにすくい上げることができるのかが大事になってくるはず。それが福祉ってやつだと思うもの。色々と試行錯誤しなければいけないこともたくさん出てくるでしょう。時間もたくさんかかると思います。一朝一夕にいくわけないんだもの。なので早急に皆が安心できるシステムを作り上げるべくモデルを示して欲しいのだけどなあ。