ドラマアワード2011

亜姫篤さん(id:einfall)さんがステキ企画*1をされてるので便乗して今年のドラマを振り返ってみました。
【1】面白かったドラマ編

俳優・脚本・演出・音楽の全てがピタッとはまった奇跡的なドラマでした。テーマ的にはすごく難しいところを描いてるんだけど、さすインテル入ってる坂元センセは違います。リアルとファンタジーのさじ加減が非常にうまくって唸らされました。正座してみるドラマなんざそうはお目にかかれやしないです。こういうドラマが見れて幸せものだ。

売れっ子を配置しなくとも予算が潤沢に無くとも面白いドラマはいくらだって作りようがあるんだっていう見本のドラマ。とにもかくにもチャレンジャーなドラマだったなあって思います。数字的には非常に苦戦したドラマだけど、ドラマっ子の胸にはしかと刻まれてると思うので、今後ともこういったチャレンジスピリッツにあふれたドラマが見たいなあと切に願います。

今や毎日の楽しみといっても過言じゃないドラマ。たった15分しかないのが信じられないくらいの濃密さがたまんないです。30分、ものによっては元のドラマの4倍である1時間のドラマを見たのと同じくらいの濃さを感じます。あれだけ回を重ねているというのにもかかわらず、捨て回がないのがすごいところ。後半戦もぜひともその勢いで突っ走っていただきたいですね。


【2】脚本家編
渡辺あや
すっごく悩みました。坂元センセとクドカンとの激しい三つ巴の戦いが繰り広げられた結果、渡辺あやに軍配が上がりました。1回分が15分とはいえあのクオリティを維持したまま75回分もの脚本書いてるのはやっぱりすごいなあと思うのです。カーネーションで好きなとこは色々あるんだけどそのうちのひとつが緩急のつけ方。息抜くところ抜かせないところ、その配置の仕方がすんばらしい!


【3】役者編 

それでも、生きてゆく」も「おひさま」もどちらも素晴らしかったと思います。ちょっと癖のある女優さんだけど、それがいい方向に作用していました。あの独特の空気感によってどんな役がこようとも満島ひかりワールドになっちゃんでしょうねえ。

他のキャストがみなすごくってともすれば埋もれがちなんだけど、どっこい彼はちゃんと主役でした。お飾りの主役ではなかった。真ん中にいたって思います。「それでも、生きてゆく」というドラマを通してこういうこともできる人だったんだという事に驚かされました。

それでも、生きてゆく」における大竹しのぶ劇場はすごかったです。まさに、しのぶノンストップって感じ。走り始めたしのぶを誰も止められやしないんだよ…っていう。例の長セリフのシーンは鳥肌ものでした。すごい、すごいよしのぶ。

ヨシヒコがあまりにステキすぎました。腹抱えて笑ったよ。彼は一体どこへ行こうとしているんだろうかなどと思ったこともあったけども、もういいじゃんどこにいっても。きっと立派にやりつくしてくれるに違いない、そう思うのでした。

ベムの話を聞いた当初は「いやいや亀梨くんて想像できないよ」って思ってたのに終わった今となっては、ベム梨さんの儚く美しいたたずまいがもう見れないのが寂しい限りです。ドラマ版のベムのキャラを思えば亀梨くん以外のキャストが思い浮かばないくらいのはまり役だったなあって思います。

JINでは気高い武士の家の母・栄さんを、カーネーションでは乙女チックなかわいらしいお母ちゃんを演じていた麻生さん。2人の全くタイプの違った母を演じていたのが印象的でした。栄さんも好きだったけど私はカーネーションのお母ちゃんが好きで好きでたまんないです。お嬢様育ち故にほわわんとしているお母ちゃん。糸子と一緒にいるとどっちが娘でどっちが母なのかわかんなくなることもあるけれど(笑)、そんなお母ちゃんのかわいさで後半戦も視聴者を癒して欲しいものです。

子役時代の印象が強かったんだけど、いつの間にやら立派な俳優さんになったんだなあと思いました。悩む姿もはっちゃけてる姿もこみで「11人もいる!」での好演が光りました。来年以降もぜひとも私をキュンキュン言わせてほしいです。


振り返ってみると、今年色んなドラマを見てきたんだなあと改めて感じました。ベスト3にはいれられなかったけれど、「ヨシヒコ」見てゲラゲラ腹抱えて笑った事や「ドン★キホーテ」を見て「松田翔太の当たり役だよなあ」とニマニマした事や、「JIN」がきちっと連ドラで完結してくれた喜びや、「マルモ」がかわいかったなあってことや*2、「ベム」の想像以上の完成度の高さや、「ミタ」の釣りにまんまとしてやられて完走しちゃったことや、今をクドカンテイストでうまく切り取ってドラマとして昇華してくれた「11人もいる!」も十分面白くてよいドラマでした。来年も面白いドラマがコンスタントに見られるといいなあと思います。