メーテレ杯 男子編

地元愛知にて初めてJGP開催ってことで12日から14日の3日間、モリコロに通いつめてきました。国際試合とはいえ、ジュニアだったからなのか観戦慣れしている人が多く雰囲気的にはローカル試合に近い感じだったように思いました。とにかく、いい演技には惜しみない拍手とスタオベを、ミスがあった時思い通りの演技ができず悔しい思いをしている選手にも温かな声援を、そんな大会でした。もちろん、地元である日本選手に対してが1番声援が多いんだけど、海外の選手だからライバル選手だからといって冷たくするってことがなくそれがとってもよかったです。みんなスケート好きなんだなあって思って。観客のみなさんが暖かかったおかげで3日間楽しんで観戦できていい思い出になりました。
以下メモ。

  • JGP初優勝をかけて挑んだしょうまくん。SPでは珍しくスピンの入りのところでミスしててビックリ。しょうまくんの強みの一つが安定感なだけにこういうこともあるのが試合の難しさなんだなあと改めて感じました。何が起こるかわからないのが試合なんですよね。
  • 今回最も驚いたのがしょうまくんがルッツのエッジエラーを矯正してきたことでした。ルッツとフリップはよく似たジャンプでルッツはアウトエッジで、フリップはインエッジで踏み切ります。正しいエッジで踏み切れなかった場合はエッジエラーをとられ減点の対象にもなります。しょうまくんはルッツのエラー持ち。トリプルジャンプまで跳べるようになった選手がエッジエラーを矯正するのはとても難しいことです。矯正するジャンプだけではなく他のジャンプにまで影響が出て1シーズン棒に振ってしまう可能性だってあるくらい。矯正に取り組んだもののうまくいかずに終わってしまうことだってあります。なので今回、しょうまくんがエラー矯正してきたことに本当に驚きました。FSでは4Tを2本入れてきて着氷したことにも驚いたけど*1、エッジエラーは直らないんじゃないのかなと思ってただけにそっちのが驚き。すごく努力したんだろうなあと。
  • 今回のしょうまくんのSPのジャンプ構成は3A、3Lz、3F3T。FSは4Tと3Fが2本の構成で3A抜き。FSで3A抜いてるのは正直寂しいけど4T2本だって十分攻めた構成なので今はこれでいいんじゃないのかなって思います。昨シーズンから3Aを試合でいれてきてはいるものの、未だ着氷はなし。今シーズンになって4Tを跳べるようになったこと、ルッツの矯正に成功したことを考えると3Aもいずれは大丈夫なんじゃないのかなって思います。今大会で3Aに挑んだ選手の数、着氷して加点をもらった選手の数を数えてみるとジュニアの選手にとって3Aというのがいかに難しいのかがよくわかります。特別なジャンプなんだなと。もちろん、今後シニアで戦っていくことを思えば必須のジャンプなんだけど、焦らずとも彼ならば必ず跳べると私は思います。
  • しょうまくん銀メダルおめでとう。気合の入った素晴らしい演技でした。あの演技を現地で見れて幸せ。今シーズンの目標は全日本4位、これはもしかしたらもしかしてしまうんじゃないのかなって思いました。とにかく今後が更に楽しみになりました。
  • FSで3回もの4回転を決めるのを生で拝めるとは思ってなかったのでボーヤンの演技には度肝を抜かれました。ジャンプでのミスは3AのSOだけってすごすぎる。あの高構成を滑りきれるの本当にすごい。ていうかなんでまだジュニアにいるのか意味がわからない(笑) なんで中国スケ連はさっさとボーヤンをシニアにあげなかったのだろうか。あと、いい衣装屋さんに巡り合えるといいなあと思います。本人気にしてないかもしれないけれど。
  • 初代表に選ばれた梶田くん、緊張してたのかなというふうに見えました。FSでは気持ちを切らさず最後まで滑りきる姿がいいなあと思いました。あと、2Aの幅も好き。
  • 太一郎くんはFSでまさかの4コンボでキックアウトというやらかし。織田くんが見守る中だったというのが何ともかんとも(苦笑)
  • アリエフは王子さまっぽい衣装なのに曲がゾンビダンスでそのギャップが何とも。彼も4Tを装備してきてました。恐ろしい時代だ…。だって今大会の男子の表彰台3人とも4回転跳んできてるんだもの。ジュニアも4回転ないと勝てない時代に入りつつあるんですね、すごいなあ。
  • 今大会私がハートを打ち抜かれたのがグルジア代表のイルカリくん。かわいい顔してジャンプの回転がぎゅるんってしてるのがとってもいいんです。小柄なのに3A跳ぶとこも好き。FSではサスペンダー衣装でテイク5サンドイッチの曲でした。指差しする振り付けがとっても似合ってていいの。スピードもあるし体の使い方もよくてこの先どう成長するのかが楽しみ。今は子供っぽいけれどきっと来年再来年には全く違った少年へと成長しているんでしょうね。
  • アルゼンチンのデニスくんも今大会で好きになった選手の1人。スピードもありキレもあってよかったです。スタオベも多くよい演技でした。家族も見に来てて最前列に座っていたお父さんが国旗を振って応援をしていたんだけど、点数が出て嬉しくて振り返って観客に向かってニコニコしながら国旗振ってる姿も微笑ましくてよかったなあ。「うちの息子すごいでしょ?」って感じのお父さんに対して「めっちゃよかったよー! おめでとう!」って日本人の観客が拍手を返す姿はこの大会の雰囲気を象徴する場面のひとつだったように感じました。
  • 今大会に出場した選手の中でもっともスケート歴が浅かったのはインドの選手でした。彼がスケートを始めたのは2013年。それなのにもう2Sまで跳んでてすごいなあって思いました。1年でここまでできるんだなあって。彼に対しても多くの声援が送られていました。

*1:1本は回転不足だったけど