2023年の読書

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2023年は139冊読了で内21冊が漫画なので本は118冊読了になります。月平均10冊弱なのでまあまあかなというとこですかね。年間100冊読了を目標にしてるので昨年も達成できてよかった。

2023年マイベストテンについて考えてみました。順不同で10作を上げてます。

 

綿矢りさ『嫌いなら呼ぶなよ』

綿矢さんはずっと面白いなあ。というか年齢重ねて更にキレが増しててよいですね。若い頃も好きだったが今はもっと好き。年齢重ねることによって「おおっこっちに切り込んでいきますか」みたいなのがあるから若くしてデビューした作家さんは面白いなあと思う。好きです。

 

チョン・アウン『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら 15冊から読み解く家事労働と資本主義の過去・現在・未来』

Twitterで見て面白そうだと思って即買いに行った本。根強い家父長制に悩まされてきたという意味では日本と韓国は似てるので参考になった。ケア労働は労働にカウントされず経済の外側に追いやられてきた。でもケア労働があるからこそ、経済活動できるのは間違いないわけで。そこを含めてどう考えていくかが大事なんだと思う。

 

チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』

ここ数年、韓国の小説が面白いなあと思っている。小学生から高齢者まで色んな年代の女性たちを描いた短編集なのだが、どれもこれも私たちの物語として寄り添ってくれるのがすごくいいなあと思った。

 

三宅香帆『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない自分の言葉でつくるオタク文章術』

自分の言葉で語るにはどうしたらいいのかをずっと考えててその答えの内のひとつがここにあった。言語化大事、そのためには細分化大事。神は細部に宿るという話ですね。推しを愛でながら自分を愛でれたらよいですね。

 

加納朋子『空を超えて七星のかなた』

大好き、ずっと大好きな加納さんの本がまた読める幸せよ。短編を紡いでいった先に見えた景色にグッとくる。うまいなあ。

 

若林正恭『ナナメの夕暮れ』

長らく積んでいたのをだが情熱があるで引っ張り出してきて読んだのだが若林の文章好きだなあと改めて感じた。自己受容していく過程を読むのが面白かった。また若林の本が読みたいなあ。

 

姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』

めちゃくちゃ怒ってるんだなあと思った。くそったれみたいな現実をどうするのか。作家としてできることは何かといえば伝えることなんだろうなあ、だからこの物語を描いたのだろうなと思った。こういうくそったれ事件が二度と起こって欲しくない。

 

近藤史恵『シャルロットのアルバイト』

近藤さんはシリーズものを数多く手掛けるが連作短編集も多い。シャルロットシリーズもそのうちのひとつだがぎゅっと胸の奥をつかまれる話があって面白いんだけどしんどい。夫からも息子からも召使扱いされる女性の話がしんどい。これが物語の中だけではなく、現実と地続きな話なだけにしんどいね。

 

上間陽子『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』

100分deフェミニズムに出演されていたのをきっかけに手に取ったがしんどい現実に打ちのめされた。本来は行政の仕事なのだがそういってる間に困っている少女たちがほっとけなくて動いたのが上間さん。負のスパイラルから抜け出し自立できる少女もいるがそれは誰もができることではない。

 

柚木麻子『ランタン』

現時点の柚木さんの集大成的な本。大河ドラマにいかがでしょうか。有名人そろいだしちょうどよいと思うのですが。今年は平安大河、来年は江戸文化人大河。戦国時代と幕末の反復横跳びの合間にいかがでしょうか。描かれたのは明治~昭和なのだが今を感じる1冊である。

2024年も本との良き出会いに恵まれますように。