田舎の紳士服店のモデルの妻

田舎の紳士服店のモデルの妻

田舎の紳士服店のモデルの妻

夫がうつ病になったのをきっかけに夫の実家がある田舎へと移り住んだ主婦の10年を描いた話。どうしても粗筋を説明しようとすると夫のうつ病というのが外せないけれど、この小説においてはあまり重要ポイントではありません。田舎へ移り住むきっかけではあるし、主人公梨々子にとって夫は重要なポジションの人ではあるのは間違いないがうつ病がテーマではないから。
この本で描かれる10年の間にはものすごくドラマティックな事は起こりません。そりゃー小説だもの、ちょっとした事件は起こります。でもどちらかといえば日常にある普通な出来事の中にこそ、大事な事が隠れてるのだと思うのです。日々の生活の積み重ねの中にこそ、人生の醍醐味がつまっている。要約された中にあるんじゃない。だからこそ、私たちは1日1日が大事なんだなあと思うのでした。